わたし、シーズン2

読書が趣味の40代主婦。きままな読書感想文を中心に日常を綴っています。家族は、夫と娘と元保護犬の愛犬ミィ。

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『まともな家の子供はいない』主人公たちの気持ちは、あのころの私の気持ち

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心に刺さるタイトルです。

 

受験を控えた中学3年”セキコ”を中心に進んでいく「まともな家の子供はいない」と、セキコの同級生を中心に進む「サバイブ」の2話収録。

まともな家の子供はいない 感想

子供と大人の境目にいる主人公達の気持ちは、あの頃自分と一緒だ。

 

とにかくセキコはイライラしている。

 

私は大人になった今でもイライラしているけれども(汗)、あの頃のイライラはまた特別だった。

 

そのイライラは主に大人に向けられる。

 

なにかこう、大人を汚いと感じる。卑怯だと思う。

 

自分はあんな風になりたくないって思う。

 

でもそんな大人の世話にならなければ自分はまだ生きていけない。

 

中学生だったあの頃はそんな自分にもイライラした。

 

自分の家にいたくない。居場所がない。だけどお金がない。

 

子どもって大変だよね。

 

学校には嫌な奴がいても行かなければならない(と思っている)し、お金を稼ぐことだって難しい。

 

そして...汚いと思っている大人(親)がいないと生きていけない。 

 

私はもうすっかり大人になって、セキコと違いカフェに行くお金もある。

 

もし家に帰りたくなければ、どこかに泊まることもできる。

 

嫌な奴がいても、無理して付き合わない選択が出来る。

 

仕事が嫌ならば、辞めて他の所を探すことだってできる。

 

宿題を写さなくたっていい(笑)

 

あぁ・・・大人って自由だ。

 

それもこれも、子供の頃に逃げ出せず苦しかったり、無力な自分に絶望して深く悩んだりした...そんな事へのせめてものご褒美なのかもしれない。

 

そう考えると大人バンザイ。

 

・・・と、登場人物の子供たちに教えてあげたい。(大人ならではの大変さもあるんだよ、というのを付けくわえて。)

 

そして、自分の娘もあと数年で思春期に入り、こうした大人に対しての気持ちを持つこともあるだろう。

 

親を鬱陶しいと思うときもあるだろう。

 

なんの力もない、お金もない...そんな自分にイラつくこともあるんだろう。

 

そんな時は、ぶつかりながらもそのイライラを受けとめてあげようと思う。

 

だけど、自分の家を「居心地が悪い・居場所がない」と我が子が思うようなことは、親としてしたくないと思う。

 

少し大人に近づいた大学生の沙和子の言葉「長くは続かない」。その短い言葉に凄く救われた気がした。(#津村記久子)

 

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